~はじめに~
今回は、英語教師の方々を応援するべく、この記事を書いています。
さて、21世紀を迎え、我々人類は新しい学びの時代に突入しています。
とりわけ、日本の英語教育も大変革期を迎えているといっても過言ではありません。
以前は、学校やスクールに通って、ネイティブや日本人の先生から直接英語を学ぶ、いわゆる「教室型教育」が主流でした。
しかし、コンピュータやデバイスの開発・応用が進み、様々な英語学習が可能になっています。
例えば、近年新たに登場した英語学習ツールは以下のようなものがあります。
・英語学習アプリ(コンテンツ提供やスピーキング音声認識、ゲーム型学習)
・オンライン英会話
・AIやICTを使用した個人型学習(発音矯正や英作文指導含む)
・個別コーチングサービス(スケジューリングやトレーニング方法)
・教育サブスク(子ども教材からデジタルコンテンツまで)
(他にもまだ開発の余地があるもの)
・オンライン授業やVRを利用した仮想留学
・高度な同時通訳機能を兼ね備えたアプリ
また、以前とはちがって24時間、いつでもどこでも英語を学習することが可能になってきました。
言い換えれば、我々はコンピュータの発展のおかげで、場所や時間にとらわれず英語を学べる環境にあるといえます。
しかし、急速な技術の発展とともに、日本人の英語力が急速に伸長しているかというと、残念ながらそうではありません。
アジア圏内でも低いTOEICスコアや、国内での英語使用率の低さなどを見れば、日本人の英語力はまだまだ伸長の余地がありそうです。
では一体どうすれば日本人の英語力が大きく伸長するのでしょうか。
私なりの結論から申し上げると、その唯一の方法は「学校という草の根の教育活動」を通して、「デジタル機器を適度に活用する英語人を育てる」事だと考えています。
以下、詳しく説明します。
現在、日本人ほぼすべてに英語学習の機会を与えることができているのは、既存の小中高等学校です。(90%を超える高校進学率からすれば、高校もほぼ義務教育化していると考えてよいでしょう。)
90%以上もの国民にアプローチできている教育ツールは、公教育以外はありません。
つまり、学校の英語教育が変われば、日本人の英語力は5年後、10年後に必ず伸長するわけです。
そして、そういった学校教育現場で、先に述べたデジタルやコンピュータを活用した英語活動を、子どもたちにたくさん体験させてあげることが重要です。
最終的には、「先生がいなくても、一人で英語を勉強できる!」と感じてもらい、自立した英語学習者に育て上げるのです。
そういった子どもたちが大人になり、社会人になっても英語で自信を持って意思疎通できるようになれば、10年後には日本人の英語力は格段に上がっているはずです。
それを実現するには、教育イノベーションと学校教育をきちんと結びつけてあげることが重要です。
では、具体的に学校英語教育の在り方を考えていきます。
~学校英語教育の意味~
デジタル機器がここまで普及してきた現代では、学校教育はどうあるべきなのでしょうか。
いつでもどこでも英語を一人で学べるようになった現代では、学校教育は意味はないのでしょうか。
私は、学校英語教育の意味合いは「大きくシフトしている」と考えています。
一つの例として、発音指導を考えてみましょう。
現在の英語教育では、教科書という紙媒体しかなかった時代からCDやアプリで音声を聞くことは当たり前になりました。
では、そのおかげで日本人の発音が良くなったかというと、疑問が残ります。
その理由は、ネイティブの発音は音を聴いただけでは修得できないから、です。
CDやアプリでは、口の動き、身振り手振り、表情を見ることができないからです。
良い発音をコピーするには、やはり生の人間がやってみせることが重要です。
教室に一緒にいる「日本人英語教師」や「対面のネイティブ講師」が、実際に体を使って見本を提示し、子どもたちがそれを真似る練習をしていくことが発音矯正には最も効果的です。
デジタル機器では、生身の人間が生み出すの臨場感は再現できません。
そこに、教室で教える教師の意味合いが生まれるのです。
つまり発音指導だけに限らず、現場の教師は「生の人間にしかできない英語教育」を行う必要があります。
同時に、デジタル機器で学習できるところは、積極的に活用を促していく事が重要です。
例えば、単語の学習や文法の基礎ドリルなどは、いつでもどこでもアプリを利用して取り組めば良いのです。
ここまでをまとめると、
・デジタル機器を活用すれば、英語はいつでもどこでも学ぶことが出来る。
・日本人全体の英語力底上げには、学校教育が最適である。
・デジタル機器だけでも、教室英語だけでも不十分。両方のメリットを活かした指導と学習が必要。
では、次の章で英語教師の今後の在り方を深掘りしていきます。
~教室英語で教師が担う役割~
これからの英語教師が求められるものは、大きく変わってきています。
順番に解説していきます。
①日本人英語上級者としてのロールモデル
今までの英語教師が教室で行っていたのは、「文法指導」と「訳読指導」でした。
その理由は、文法力と訳読力があれば、大学受験に対応できたからです。
しかし、その教育成果が、日本人の低いTOEICスコアをまねいたり、英語を使えない人材を育ててしまったといっても過言ではないのではないでしょうか。
2022年、大学入試への大変革期が訪れています。
また、多くの日本企業が、英語を社内公用語にしたり、英語を使える人材を求めるようになってきました。
そういった学生を育てて行くには、教師自身が指導法はもちろん、英語への向き合い方を変えていく必要があります。
わかりやすく言えば、教師は今までの英語を「分解して解説する人」から、「ロールモデルとして英語を使う人」へと立場を変えなければなりません。
日本の学校では、その学生のほとんどが国内で生まれ育った日本人であるはずです。
そういった子どもたちに、日本の大人が英語を一生懸命に使っている姿をもっと示していくのです。
まるでネイティブのように上手に使える必要はありません。
大切なのは、子どもたちが「あの先生のように自分も頑張ってみようかな」と思ってくれるかどうかです。
②異文化のツアーガイド
言語と文化は切っても切り離せない関係にあります。
英語を教えるということは、教師は英語を通して英語圏や他国の文化・教養を伝える役割を担うことになります。
そのためには、子どもたちの年齢やレベルに合わせた題材を選び、興味関心を上手く引き出していかなければなりません。
教科書のレッスンを前から教えていくのではなく、柔軟に選び、時には教科書外の教材(新聞や小説、映画やYou tubeなど)も取り入れていく必要があります。
子どもたちに、「英語ができると世界が広がる」感覚を味わってもらうことです。
英語教師は、言語構造を解説する解説者ではなく、文化の伝道師であり、大学入試や目先の試験のスコアを目標にする教師であってはいけないのです。
言語使用を通して、何を伝え、何を感じてもらうのか、何を考えて、どう表現してもらうかを工夫していく必要があります。
③即興性のある教育クリエイター
私も英語教師として20年以上、中高生や大学生、時に社会人を指導してきていますが、その場の雰囲気や学習到達度を察知して、私も即興で指導プランを変更することがあります。
言語を学ぶのは人間です。
生身の人間である以上は、その日の体調や気分、集団の雰囲気によって学習意欲は大きく変わります。
学習者に合わせて、タスクのレベルや、時には状況に合わないコンテンツはやめてしまう勇気も必要です。
一番やってはいけないのは、事前の準備や定められたカリキュラムを重視しすぎて、子どもたちや学生の学習動機・興味関心を失ってしまうことです。
そういった人間の感情を察知し、次の一手を柔軟に創造していくのは、まだ人間のすべきことだと考えています。
~これからの英語教師に求められるもの~
最後に、これからの英語教師に求められるものを挙げてみます。
・デジタル教材を活用し、生徒の学びをより効果的にすることが出来る。
・教室の中では、「英語を使う日本人」としての姿を提示する。
・生身の人間にしか教えられないもの(発音、表情や身振り手振り、教材の使い方)を子どもたちに体験を通して教えることができる。
・即興性をもち、学習者に対して訴求力のあるコンテンツを選んでいくことができる。
いかがでしょうか。
これから英語教師を目指す人、すでに英語教師として頑張っていらっしゃる方の指針に少しでもなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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